自分を不幸にした人間を誰が許すことができるか。
どうしても許せない人がいる。。。
それはおそらく、彼を何度も信じ、何度も許し、何度も裏切られたから。。。
でも基本的に人間は人を許したいと思う生き物であると思う。
だからこそ私は昔、彼のことを何度も許してしまっていたのだ。
自分は心の広い人間でありたかった。
彼は酷いことをするたびに言い訳をし、時には反省文を書いて私に謝罪した。
若かった私は彼を信じた。
いつか彼も変わるに違いない。と。
彼は友達が多く、スマートで、とても優しい好青年にみえた。
厳格な父親とそれに逆らえない母親のもとで育った私は大らかな彼の性格もとても魅力的だった。
経済的に私は恵まれていたせいもあり、彼がまじめに働かなくてもなんとか楽しく生活できた。
浮気を繰り返されても本命は私だからと自信を持って自分に言い聞かせた。
好きな人と一緒に生活する。
それだけで私は幸せだった。
子供が産まれてからも彼は変わることはなかった。
産まれたばかりの子供がいるのに彼は隣でエレキギターを朝まで弾き、休みの日は私と子供をおいて仲間と海に出掛けた。
彼の友達は毎日のようにうちに遊びにきて騒いだ。
私の中の赤ちゃんを守る母親の動物的本能が彼に対しての苛立ちを強めた。
彼にはもう落ち着いて欲しかった。
子供と私のことを優先して欲しかった。
私が泣きながら訴えると彼は家を出て行った。
そしてまた女を作った。
子供が産まれて初めて私は気がついた!
目が覚めた!!
なんで今まで許してしまっていたんだろう。。。
この人は変わらないんだ!
今後のことを考えるともう許せなかった。。。
別れた後、今でも彼は言う、俺は生まれ変わったのだと。。
今はもう違うと。
本当か?前にも何度もそのセリフ聞いた!
もういい加減聞き飽きた!
でも時々彼に会うと彼はとても優しかった。
だから、その度に考えた。
もう彼を許してあげてもいいのではないか?と。
しかし、答えはいつもNO!
大晦日の夜、横浜の花火に彼を一生許さないと誓ったことを思い出す!
休日に小さな子供を連れた仲良し夫婦を見るとケッと思ったことを思い出す!
やっぱり許さない!
絶対に許せない!!
しかし、どうしても許すことができない自分が悲しかった。。。
私は何度も自問自答する。
そろそろやつを許してあげてもいいのではないかと。。
その度にでる答えはやっぱりNO!
そしてまた悲しくなる。
私ってなんて心が狭いの。。。
なぜ許せないの。。。
ところが、最近私は思う。
あれ?
もしかしたら、今の絶対に浮気をしない彼と出会うことができたのって
あいつのおかげかも知れない。。。
今の彼と出会って、私が幸せなのってあいつのおかげなのか?!
そう思ったらなんと!
遂にあいつを許すことができたのだ!
許せなかった相手に対して、今は感謝さえできる。
そっか、運命の相手に出会う為だったのか。と、思えることができる。
いろいろされた酷いことも全部はっきりと思い出される。なのに、今の私は許すことができる!!
今とても幸せだから。。。
やっとそう思える日が来た!
そんなふうに思うことができるようになってよかった。。。
運命の相手に出会って、やっと私は心の重しがとれた。
自分が幸せじゃないと人を許すことは難しい。。。
今、私は幸せなんだ。
だからいろいろあったけれど、すべて許す!!
やっと許すことができる日が来たんだ!